短歌と妄想

短歌鑑賞ブログです!と言いつつほぼ読書日記です。

短歌と妄想

短歌鑑賞ブログです!ときどき読書日記です。

他人の夢〜映画『グレイテスト・ショーマン』①

観る人によって、感想が千差万別というミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』を観てきました。

 

グレイテスト・ショーマン 2枚組ブルーレイ&DVD (公式ソングブック付) [Blu-ray]

グレイテスト・ショーマン 2枚組ブルーレイ&DVD (公式ソングブック付) [Blu-ray]

 

 

【ネタバレ注意】

あらすじ:貧しい仕立て屋の息子として生まれたバーナム。父亡き後、パンを盗むほど困窮するが、運良く貿易会社に就職。幼馴染みの娘(この子は上流階級の出)と結婚し幸せな家庭を築く。ところが突然、会社は倒産してしまう。生活費に困ったバーナムは異形の人々を主役にサーカスを始める…。

バーナムはサーカスで十分すぎる財産を得ると、今度は上流階級に認められたいという欲を覚えます。そこで、欧州で有名な女性オペラ歌手を米国に呼びよせます。公演は成功し上流階級からも高く評価されます。(この傍ら、彼自身は、サーカス出演者たちをオペラ歌手と同等に扱おうとはしません。)

すると今度は、彼は奥さんの反対(「もう私の実家は見返したでしょ、十分よ」)を押し切り、オペラ歌手に60カ所以上の公演を設定し、さらなる富を追い求めます。

結局、歌手に契約破棄され、サーカスの建物も火事にあい、バーナムは再び文無しになります。奥さんも彼の愛を信じることができなくなり、娘たちとともに去ります。失意の彼の元に、サーカスの出演者たちがやってきてこう言います。

「あんたは金のために私達を利用したかもしれないが、サーカスは確かに私達の居場所であり、家族だった。もう一度サーカスを作ってほしい」

バーナムはこう答えます。

「前の夢は他人の夢だった。今度は本当の夢、家族を作ろう」と。

映画では、「階級の対立」「男女の対立」「差別するもの(観客)とされるもの(サーカス出演者)の対立」が描かれているのですが、私はそれよりも、バーナムの歌の一節「あれは他人の夢」が気になってしょうがありませんでした。

彼の本当の夢は、奥さんと子供たちに満足な生活をさせてあげることだったのでしょう。それ以上のことは所詮、彼の真の夢ではなく、『他人の夢』だったのではないでしょうか。彼は自分を見失っていたと言い換えてもいいです。

だけどだからといって、「身の丈以上を望むのはやめて、家族を大切に」という教訓をひきだすのはつまらない気がします。

映画の最後で、バーナムは、共同出資者の青年に、復活したサーカス団長の役目を譲って、家族の元に戻ります。私は「これでサーカスが真に差別を打ち破る場所になるかも」と思いました。なぜなら、青年は初めからナチュラルに、空中ブランコ乗りの女性に恋していたから。

ここから引き出したい教訓はこうです:「バーナムが抱いたような、空回り気味で大義のない夢でも、時にいい夢に転じることがある」「夢は途中でふさわしい人にバトンタッチすることもできる」と。

夢の見方を間違っても、人の力を借りることができれば挽回できるよ、という映画だと思いました。