短歌と妄想

短歌鑑賞ブログです!と言いつつほぼ読書日記です。

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梨をむくペティ・ナイフしろし

梨をむくペティ・ナイフしろし沈黙のちがひたのしく夫とわれとゐる

松平盟子『シュガー』

 

[妄想的鑑賞]

私はあなたを強く憎んでいるがあなたはそれに気づいていない。今日も「オイ、梨むいてくれや」なんてのんきに頼んできた。

しゅる、しゅると梨の皮をむく間、あなたは新聞を読みながら待っている。うつむいた頭。

私はさりげなくあなたの後ろに周り、うなじのくぼみにナイフを突き刺すこともできる。

でも、それは今日ではない。いつでもできる、と言い聞かせながら私は黙ってナイフを洗う。

「お、皮むけたか?うまそうだ」

 

[追記]

松平盟子さんは離婚されたのだそうで、その情報を知ってしまうと、この歌はちょっとコワイ歌として読めてしまいます。なぜナイフが白く光っているのかとか…。思い切り物騒さを追加して妄想しました。

 

 

 

歌集 愛の方舟  角川短歌叢書

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