短歌と妄想

短歌鑑賞ブログです!と言いつつほぼ読書日記です。

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気持ちの一部を共有するだけで

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
俵万智『サラダ記念日』


冬の朝の光景
職場で「いやぁ寒いですね〜」と話しかければ「本当〜。カイロ貼ってますよ」なんて答えてもらえて、たちまち和やかになります。こんな会話をする時に、怒った顔する人いないもの。

たまに、「えっ今日はそうでもないよね」と返されたりして「そだね、昨日よりいっか」などと返すもまたよし。

そんな冬の朝、俵万智のこの歌を思い出します。すっと入ってきていっぺんに覚えてしまった歌。周りにも「あーこの歌は知ってる!なごむ!」と言う方がけっこういました。

 

言語化してなかったけれど
寒いね、ほんとにね、と言うやりとりをする時、どちらも少し微笑むこと、それは確かにあたたかさであること、自分では言語化してなかったけど、深く共感しました。

 

誰かと気持ちの一部を共有する
朝でなくても、仕事を終えて帰宅して、家のぼろっちいソファに倒れた時。親に今日こんなことがあって…と話そうとして、その時すでに体が緩んでいることに気づく。「今日大変だったこと」がどうでもよくなり、ただ「疲れた〜」と言って「そう〜」と返されるだけでよくなる。

これはソファのおかげではなくて、人のおかげなんだと思います。誰かと気持ちを完全に共有しなくても、一部を共有するだけで人は癒されるんだなぁと思いました。

 

ところで
ところで、友達のGちゃんが、ときどき短歌をひっくり返して味わってるのですが、この歌についてこう言ってました。

「暑いときは『暑いね』『ほんまや』と言い合っても涼しくなるかといったら、ならん気がする…」と。

ウケた。たしかに!夏は「暑いね」と言い合うと余計に暑くなる気がする。なんでだろ!?

 

 

サラダ記念日 (河出文庫)

サラダ記念日 (河出文庫)