短歌と妄想

短歌鑑賞ブログです!ときどき読書日記です。

短歌と妄想

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短歌鑑賞

ああ夕陽

私、バーバラ・クーニーさんていう絵本作家さんが好きなんですよ。学生の頃、江國香織さんの本で知ったんですけども。 バーバラ・クーニーさんはたくさん作品描かれている方なのですが、私が特に好きなのは『ルピナスさん』という絵本です。 絵がちょっとか…

短歌でなら言える

普段は口に出さないけど、短歌でなら言えることがあります。何だと思います? それはね、1.短歌なら気づきを言える2.短歌ならひどいことも言える3.短歌ならかっこいいことも言えるです。順番にみていきましょう。 1.短歌なら気づきを言える例えばこんな歌が…

梨をむくペティ・ナイフしろし

梨をむくペティ・ナイフしろし沈黙のちがひたのしく夫とわれとゐる 松平盟子『シュガー』 [妄想的鑑賞] 私はあなたを強く憎んでいるがあなたはそれに気づいていない。今日も「オイ、梨むいてくれや」なんてのんきに頼んできた。 しゅる、しゅると梨の皮を…

冬の夜の星君なりき

冬の夜の星君なりき一つをば云ふにはあらずことごとく皆 与謝野晶子『白桜集』 〔妄想的鑑賞〕 家へ帰る途中、ぽつんと星が見える。歩く間、星は瞬きながら一緒について歩く。家に入ってご飯を食べて、夜中にもう一度窓を開けて星を見る。するとさっきとは違…

めちやくちやを止せば老人になりさうで

めちやくちやを止せば老人になりさうでときに食ふ夜半のとんこつラーメン 大松達知『スクールナイト』 わぁ、めっちゃわかる!と思ってしまった歌。 人間どんどん年をとっていくのだから、体を長持ちさせるには、大事に使うのが一番。すなわち、体によい食べ…

レプリカントになれる雨

秋のあめふいにやさしも街なかをレプリカントのごとく歩めば 大塚寅彦『空とぶ女友達』 (「レプリカント」は、映画『ブレードランナー』に出てくる人造人間のことです。) ある夜駅を出ると、針のように細くて柔らかい雨が降りはじめていました。急いで歩き…

晩冬の東海道は

晩冬の東海道は薄明かりして海に添ひをらむ かへらな 紀野恵『さやと戦げる玉の緒の』 この歌、紀野恵さんの代表作だそうです。最後の一字空けの後の「かへらな」のインパクトが強くて、すぐ覚えました。 ですが、東海道という道を擬人化していてスケールが…

ひれ伏しながら上昇する男

シースルーエレベーターを借りきって心ゆくまで土下座がしたい 斉藤斎藤『渡辺のわたし』 このエレベーターはどう考えても上りです。 あえてシースルーエレベーターを借りるってことは「見てほしい」と思ってるわけで、それが上昇のイメージにつながってると…

わざと目を細めれば

めをほそめみるものなべてあやうきか あやうし緋色の一脚の椅子村木道彦『天唇』 先生の昔話この歌で思い出した、高校の英語の先生の話を書きます。 先生には、高校生の時仲のよい友人がいて、毎日哲学的議論を交わしていました。その友人がある時メガネを外…

気持ちの一部を共有するだけで

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ俵万智『サラダ記念日』 冬の朝の光景職場で「いやぁ寒いですね〜」と話しかければ「本当〜。カイロ貼ってますよ」なんて答えてもらえて、たちまち和やかになります。こんな会話をする時に、怒…